「インデックスだけでは物足りない」人のための、テーマ別ETF&個別株戦略ガイド

6月14日時点、日本の株式市場は日経平均が37,700円前後で推移し、年初来で10%超の上昇と活況を呈している。しかし、インデックス投資だけでは運用効率に限界があり、成長余地や旬のテーマを取り込むには「ETF×個別株」の組み合わせが効果的だ。
テーマ別ETFのメリットと選び方
日銀の金融緩和継続やグローバルインフレ懸念のよる構造転換の中で、運用テーマに特化したETFが注目を集めている。投資家はインデックス系(TOPIXや日経平均)に加え、成長性や高収益のテーマに絞ることで、リターンの分散と上乗せを狙える。
日本取引所グループ(JPX)のテーマ別ETF群も拡充しており、2025年には半導体やバイオ、ESG関連などの選択肢が豊富だ。一例として、半導体関連では「NEXT FUNDS 日経半導体株指数連動型」(コード200A)や、「グローバルX 半導体・トップ10–日本株式ETF(282A)」が人気で、2024年の半導体相場を牽引した。
注目テーマ別&代表ETF
以下は、今年特に注目度の高かったテーマと代表ETFだ。
テーマ | 代表ETF | 投資ポイント |
---|---|---|
半導体・AI | 日経半導体株ETF(200A)など | 2024年に日経平均超えの上昇率。生成AI・投資機運も後押し ( |
高配当株 | 日経高配当50 ETF(1489) | NISA利用者に人気。安定分配金狙い |
ESG/再生可能エネルギー | iShares MSCI Japan ESG ETF他 | 中期的な制度前提強化に伴い注目増大 |
トップクラスの「テーマ型ETF」は保有銘柄数が少なめ。これは市場全体よりもテーマに特化する戦略的選択を反映しており、短期リターンが期待される反面、ボラティリティも高い 。
個別株との組み合わせ戦略
ETFによる幅広い分散と、個別株によるテーマ内の尖った銘柄選びを併用することで、運用の質を高められる。
A. 半導体・AI関連
- 東京エレクトロン(8035):半導体製造装置大手。2025年3月期は営業増益基調継続。
- アドバンテスト(6857):検査装置事業の収益性が牽引役。
これらに半導体ETFを加えつつ、個別株で大型の天井利益銘柄を狙う。
B. 高配当分野
- 三菱UFJ(8306)、三井住友(8316):銀行セクターが高配当で堅調。ETFと組み合わせ、規制や金利動向のキャッチアップが重要。
C. ESG/再エネ関連
- 東電(9501):送電インフラ強化に向け大型投資計画あり。
- 日本電産(6594):モーターおよび再エネ技術で世界展開。
ESGテーマのETFに加え、自社施策で結果を出す企業への絞り込みが有効だ。
インデックスだけでは捉えきれない価値やテーマの「旬」を享受するには、テーマ型ETFと個別株の融合戦略が有効だ。半導体・AI、高配当、ESG・再エネなど注目テーマに対し、ETFで広く捕捉しつつ、収益性と成長余地が見込める個別銘柄でアウトパフォーマンスを狙う呈比的バランスが理想的なアプローチになる。投資家は、自らのリスク許容度に応じ、テーマ選びと個別選定、タイミングを考慮した戦略を実践すべきだろう。